2.株式とは
1.株式とは?
株式とは、”株式会社における株主としての地位を示す有価証券”と言うことです。
分かりやすく説明すると、株式会社における出資者の”持ち分”と言うことです。
株式の種類には額面株式、無額面株式があります。
会社設立時に発行する株式の、一株当たりの金額が決められてるものを
額面株式と言います。
一株当たりの金額は、25円・50円・500円・5万円の4つに分かれてますが、
上場企業の5万円額面株は、NTT・JT・JR東日本などごくわずかで、
大半は50円株となっています。
これに対して一株当たりの金額が決められてないものを無額面株式と言います。
また配当面でみた場合、普通株、優先株、後配株(劣後株)の3つに分かれます。
普通株は、一般的な株のことを指し、ひとえに”株”と言われるものです。
優先株は、普通株に優先して配当や残余財産を受け取れる権利がある株式で、
配当金額も普通株に比べて大きくなっています。
その代わり株主総会時の発言権や議決権が得られない株式であります。
議決権などは、また後の方で説明するとして、企業の経営に興味がなく、
単に利益だけ追求したいという人にとってはお勧めの株式です。
後配株は、一般の人に配当をした後、最後に配当金を受け取る権利をもつ株のことです。
主に共同出資者や、会社設立の協力者などが持っていたりします。
一番最後に配当をもらうと言うので普通株とかよりも損なイメージがありますが、
普通株への配当が終わって、まだたくさん利益が残っているときは、
後配株の持ち主へ予定より多くの配当が行くと行ったメリットもあります。
一方、株式を持つ側から権利としての性格をみてみると、
利潤証券、物的証券、支配証券の3つの面があげられます。
利潤証券とは会社の収益配分に参加する権利です。
株主は配当や株式分割と言った形で収益の配分を受けることができます
物的証券とは、会社が解散するときに残余財産の分配に預かる権利(残余財産分配権)
を持っていると言うことです。
例えば、土地をいっぱい持っている企業に人気が集中したりする場合は
まさに解散価値を買っているからと言う見方もできます。
なお、配当分配請求権・残余財産分配権を合わせて自益権と称することもあります。
支配証券としては、株主は株主総会に出席でき、出資額に応じた議案の議決権、
発言権があります。一定の株数(3%)以上保有しておれば
臨時株主総会の開催を請求できますし、
総発行枚数の1%以上持つ株主には、株主総会での議題提唱案、
3%以上保有の株主には帳簿閲覧権、
10%以上保有の株主には解散請求権もあります。
また過半数の株式を持つ株主には経営権を握ることができます。
これが最初に言った”株式会社における出資者の持ち分”と言う意味であり、
企業が支配証券としての意味を含まない優先株を発行する理由に当たります。
なお、議決権を共益権と称することもあります。
2.株式会社の仕組み
製造会社、銀行、デパートなどみんながよく知っている企業は、ほとんど株式会社です。
海外でもIBM、GM、モトローラ、ウォルト・ディズニーなどと言った
有名企業はほとんどが株式会社の形を取っています。
今や社会主義の中国などでも株式会社が次々と設立され、証券取引所などもあります。
株式会社とは会社に対する出資(株式)の集合体ですが、そのメリットについて見ていきましょう。
まず第1に、小さな資金を集め巨額の資金にし、大事業を行うことが可能だと言うことです。
事業を始める為には膨大な資金が必要となります。
事業の元は”物、金、人”と言われていたりしますが、
土地の所得、ビルを建てる、人を雇う、工場を建設し設備投資をする
と言ったことは何十億円、何百億円と言った資金が必要な場合があります。
この資金を効率よく広範囲に集められるシステムとしては、株式会社が最適でしょう。
第2の利点は有限責任と言うことです。
出資者(株主)は出資金額の範囲内にのみ責任を負うことになります。
要するに、株式会社が負債を抱えて倒産したとしても、
株主は出資分だけをあきらめるだけですむわけです。
つまり株式会社における株主の責任は有限というわけです。
これが合名会社などでは、倒産した場合、出資者は出資金だけにとどまらず
個人財産を提供し、損金を埋める必要(義務)があります。
つまり責任は無限なわけです。
3.株主になると言うことは
株主になると言うことは、株主権を得ると言うことでもあります。
株主権には、配当を受ける権利、増資(新株)を引き受ける権利、
経営参加権、残余財産分配(請求)権、帳簿閲覧権などがあります。
こうした株主権は平等な扱いを受けるのが原則ですが、
持ち株数に応じてその権利に若干の差が生じるのじゃやむを得ないことです。
大株主にはいろいろな特典がありますが、制約もあります。
株式総数の5%以上を保有する株主は、その持ち株の増減を大蔵省に
届け出なければなりません(5%ルール)
しかもトップの株主を筆頭株主と言いますが、場合によっては
大株主としての責任を追及されるケースもあります。
ところで、株式を買っただけでは本当の株主とは言えません。
名義書き換えをする事が必要で、これを怠ると株主の権利を受け取ることができません。
株主になって、名義を書き換えを終了して初めて株主名簿に記載されるわけです。
これで晴れて1人前の株主として認めれれる訳です。
なお、最近では振り替え決済制度と言う物があり、これに入っていれば
改めて名義書き換えをしなくても株主の権利が受け取れます。
株主になると前述したような諸々の権利の他、株主優待制度も受けることができます。
近年、株主優待制度を導入する企業が増えてきており、
鉄道・バスの優待パスの他、各種割引券、お買い物券、
さらには自社製品プレゼント、お米、肥料贈呈などユニークな物もあります。
現在では株主優待制度を導入している企業は500社強あると言われてます。
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