医療関連の最近のブログ記事

2月は全般的に寒かったのもあって、スギ花粉の飛散が遅れていましたが、
3月に入ってから例年より2週間遅れで、本格的な悲惨が始まりました。
今年は去年の半分ぐらいの花粉量と言うことですが、
それでも症状がきつい人も多いと思います。

さて花粉症治療と言えば、市販薬や病院等で処方される
いわゆる『抗ヒスタミン剤』というモノが主流となっています。
確かに花粉症には効きますが、眠気の副作用や、ウトウトぼ~っとしたり
気づかない間に集中力が低下するような事もあり
車の運転をしている人にとっても問題になるようなケースも発生します。


そこで最新の花粉症治療では、花粉症を防ぎ、尚かつ眠気を徹底的に防ぐ
と言った治療法も可能になってきています。
それが経口薬である『ロイコトリエン受容体拮抗剤』と、
噴霧薬である『点鼻ステロイド』の組み合わせ処方です。

 ・ロイコトリエン受容体拮抗剤・・・キプレス or シングレア(1日1回1錠)
 ・点鼻ステロイド・・・アラミスト or ナゾネックス(1日1回左右2噴霧)

この処方のメリットとして、
 ・眠気の副作用は全く無い
 ・1日1回(寝る前)処方なので、昼間薬を持ち歩く必要がいらない
 ・花粉症の諸症状を強力にブロックしてくれる
と言ったものがあります。

特に一番上の『眠気の副作用が全く無い』は、
従来の抗ヒスタミン剤と決定的に違うところであり、
『薬を飲むと眠たくなる』と嘆いておられた患者さんにとっては
最適な処方ではないかと考えております。
必要な人は症状に合わせて点眼薬等を足してみても良いでしょう。


さてこの素晴らしい薬ですが、デメリットとしては
・医科用なので、病院に行って処方箋をもらう必要がある
・病院に行っても通常は抗ヒスタミン剤が処方されるケースが多いので、
 『眠気の副作用が気になるので、上記の処方をお願いします』と医者に言う必要がある
・一月分の薬代が3500円と、薬価が比較的高い
 ロイコトリエン受容体拮抗剤(キプレス):1錠252円 1ヶ月=252円×30日×3割負担=2268円
 点鼻ステロイド(アラミストorナゾネックス):1ヶ月分=約4000円×3割負担=1200円

と言うものがあります。

とは言え、今まで市販薬・医療用共々、抗ヒスタミン剤しかなかった事を考えると、
新しい選択肢が出来たと言うことは、患者さんにとっても選択の幅が増えたわけで
喜ばしいことだと思います。


個人的に、花粉症の症状でクシュンクシュン鼻水を垂らしながら
しんどい思いをしているぐらいなら、
それを薬を使うことによって完全に止めてしまい、尚かつ安全で副作用の無い(少ない)
方法をとるのが最適ではないかと思っています。

まぁ花粉症の方の選択肢は色々とありますし、
例えば薬を飲まないと言うのも1つの方法だとは思いますので、
個人的には上記の治療法をお勧めしておりますが、
自分にあった治療法を取られてはいかがでしょう。


余談ですが、キプレスはうちの薬(気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療薬)
ですので、特に強く推しておきますw。

【第一三共ヘルスケア】スイッチOTC解熱鎮痛薬の「ロキソニンS」を新発売


昨年11月25日にスイッチOTCとして、鎮痛消炎剤「ロキソニンS」、
アレルギー性鼻炎薬「エスタック鼻炎24」(商品名アレジオン)
が承認されまして、ロキソニンSは1月下旬より発売となります。

両薬剤とも医療用としてもかなり使われている上、
初のOTC医薬品と言うこともあり、結構話題になっている薬剤ですね。
特にロキソニンは発売26年になりますが、
医療医薬品として年間500億円も売れているビック商品です。


・医療用:ロキソニン錠:60mg1錠:20.3円(薬価)
・OTC:ロキソニンS:60mg1錠:50円~60円程度(予想)
    (メーカー希望小売価格:680円/12錠)

と言うような感じで、価格設定も良心的になっています。
もう少し高い値段が設定されるのではとも思っていました。

ex.)
・医療用:ガスター:10mg1錠:31.1円(薬価)
・OTC:ガスター10:10mg1錠:130円程度


ちなみにロキソニンの禁忌は以下です。
・鎮痛薬や解熱薬で喘息を起こしたことのある者
・消化性潰瘍のある者
・妊婦(妊娠後期)

慎重投与、注意は以下です。
・インフルエンザ(インフルエンザ脳症にリスク、類剤は投与禁忌)
・胃腸が弱い人(胃薬との併用等考慮)
・高齢者、肝臓病、アルコール摂取時


効果的に使えばかなり良い薬です。
いままで病院に行かないともらえなかったのですが、
これからは薬局でも買えると言うことで、
特に頭痛や生理痛に悩まされている方には朗報かもしれませんね。

ただ何でもかんでもこれで治るわけではないので、
症状が重い時には、医療機関での診療をお勧めします。


ちなみに蛇足ですが、うちの商品である
ムコダイン(カルボシステイン - 粘膜修復・粘液調整剤 / 去痰剤)と、
アプレース(トロキシピド - 胃粘膜保護剤)
の方も、昨年OTCになって、佐藤製薬の方から新発売いますので宣伝もかねて。

【佐藤製薬】「ストナプラスジェル2」発売‐OTC初の去痰成分「L‐カルボシステイン」配合

OTC医薬品初 医療用成分「トロキシピド」配合 『イノセアバランス』新発売

こころのくすり箱

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年1回ぐらい会う私の友人(男)が、精神病になったみたいです。
うつ病とかだったらまだ良かったんですが、
おそらくは統合失調症(旧精神分裂病)のような感じです。

症状としては、典型的な妄想型でして、
被害妄想(他人が自分を害しようとしていると考える)、
注察妄想(常に誰かに見張られていると感じる)、
と幻覚・幻聴と自傷行動が有るような感じです。

現在は遠くに離れているわけですが、2週間に1度の頻度で電波じみたメールが送られてきており、
最初は冗談か何かかとも思ったんですが、どうやら他の知り合いにも送られてきており、
これはマジだと言うことが分かってきた次第です。


彼と最後にあったのは去年の年末でして、確かに今から思い起こせば
それに通ずるところが束の間あったなぁ(当時は気がつきませんでした)という感じです。
それ以降は、メール・電話でのやりとりか、他人からの話しかきいていませんが、
おそらくは統合失調症の類ではないかと推測されるわけです。

仕事が原因なのか、プライベートで何かあったのかは知りませんが、
本人はもちろんそんなこと(病識)は気づいていないと思います。
『○○が電波で脳を攻撃してくる』、『○○が人を殺害している』
『警察に電話をしたが取り合ってくれない』、『証拠は消されており、陰謀がある』
なんて言うセリフをリアルで聞くことになろうとは。


つい先日、ゴールデンウイーク中に、共通の知人数名と飲むことがありまして、
『これはだめかもわからんね』ってな感じでうなだれながら
なかば半笑いで酒を飲んでた次第です。

まぁこうなっちゃったら、友人レベルでどうこうできる問題ではないわけでして。
とりあえずメールには返信しない(彼の文章に肯定も否定もしない)のと、
興味本位で会わない(少なくとも彼と二人で会うことはしない)と言うことに同意しつつ
解散となりました。


この業界にいると特にそう思うわけですが、
人が壊れるのって、特に心が壊れるのって言うのは本当一瞬ですよ。
ガラスを地面にガシャン!と落とすぐらい。

人によってなりやすい人、なりにくい人はいるにしろ、
誰でもなってしまう可能性をはらんでいます。
ひとたび今の環境や価値観や生活などが崩壊してしまうと、
その向こう側にはあっという間に逝ってしまう可能性があります。

正直一度なってしまうと、回復するにしても多大な損失を追うことは避けられないので、
自分に対しても、くれぐれもならないように努めていきたいなぁと思うわけです。
皆様もくれぐれも無茶はなさらないようにして下さい。

新年度は波瀾万丈

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さて、新年度が始まりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
前年度は、うちの会社は創業以来の増収増益と言うことでホクホクだったらしいです。
しかしこの業界は、良くも悪くも国、というか厚労省の政策に引っ張られるわけでして。


昨今の医療費削減の波は厳しく、今年は2年に1度の薬価引き下げの時期でもあります。
本年度の薬価改定は、業界平均で-6.8%となっております。
それに付け加え、後発品のある薬剤に関しては、
平均-2.2%の追加引き下げがなされております。
その結果、業界平均としては、おおよそ-8%程度の薬価ダウンとなっております。

これは昨年度売上高1000億円、経常利益80億円の企業が、
同じ量だけ製品を売ったと仮定すると、
売上高920億円、経常利益32億円(60%で換算)に落ちてしまうわけであり、
昨年と同じ売上高を見込むためには、数量ベースで108.6%売らなければならないわけです。


薬科ダウンだけではなく、本年度からは
後発品促進数量ベース加算が薬局の方にかけられているため、
長期収載品(後発品がある薬)に関しては、
数量ベースにおいても大幅なダウンが見込まれるわけでして。

そう言う市場状況ですので、うちの会社では本年度は減収減益を予想しております。


医療費を抑制するためには、後発品促進政策は大事なことは分かりますが、
どちらかと言えば効果が薄いと言うことは、少し頭がいい人なら分かることだと思いますが。
本気で医療費を下げたいと思うのであれば、もう少し長期的なビジョンを持って
厚労省は取り組んでいった方が良いと思うんですがね。
今の制作、『減らしやすいところから減らそう』と考えているとしかとれないですよ。

新型インフルエンザ:発症、低年齢化進む 5~9歳、中心に

相変わらず新型インフルエンザも流行しているようですが、
うちの周りでは、10月に比べると少し減少したような感じです。


さて、新型インフルエンザのうち、85%ぐらいは15歳未満の発症です。
15歳以上の大人の割合は15%なので、乳幼児の発症リスクが高いと言えます。
そういった状況で、最近ではタミフルDS(小児用ドライシロップ)の流通制限が
若干かかってきている模様です。

対処法としては、余っている成人用のタミフルカプセルを脱カプセルし、
中に入っている細粒を用量調節して乳幼児に飲ますと言った対策が講じられます。
検査キットなんかも相変わらずの流通制限ですし、
正直11月でこの状況だと、12月1月が思いやられます。

>小児科の負担が大きくなる問題もあり、軽い症状で土日夜間の受診は控えてほしい
の一方で
>(乳幼児では)重症化する傾向があり、家庭で目を離さないでほしい
とのことなので、そのあたりの判断は、親御さんの間や現場でも
相当難しいものだと考えております。


ワクチンに関しても数が限られており、全員が接種できることはできませんが、
前述の通り今回の新型インフルエンザに関しては、乳幼児流行が大多数を占めており、
個人的には15歳未満の乳幼児への全員接種と、妊婦・基礎疾患を持った人への接種を
最優先にしていただきたいと思っています。

乳幼児への流行がおさまれば、全体としての流行もかなり下がると考えられます。
幸い4月5月の新型インフルエンザパニックの教訓がある程度生きており、
学級閉鎖などの対策が早期に打たれていることに関しては、
流行を抑えることに一定の効果があったのではないかと感じます。


元来インフルエンザワクチンなんて言うものは、健常人には必要ないわけなのですが
今のご時世、そうも言ってられないのかもしれないなぁと思います。

大人がインフルエンザにかかっても、3日4日家でゆっくりと養生すれば
ほぼ問題なく回復するわけですが、世の中そうも言ってられないわけでして。
まぁ実際インフルエンザに感染したら、家に引きこもって、
これ以上周りに迷惑がかからないように心がけたいものです。

インフル特需

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さて、インフルエンザが流行っていると言うことで
うちにも特需が舞い込んでくることもあります。

インフルエンザと言えば、ワクチン・検査キット・治療薬(タミフル)が3本柱ですが、
うちでは検査キットを扱っております。


医薬品扱いではなく、結構価格競争が激しい分類なので毎年売るのも一苦労なんですが、
今年は季節に関係なくバカ売れしている状況です。
もちろんうちだけではなく他社さんもバカ売れです。
ただ如何せん、お互いにフルスロットルで生産中にもかかわらず、
市場の供給に追いつかない状況でして、若干の流通制限がかかっています。

売りたいときに商品が少ないというのも若干悲しい話ではありますが、
この不況の中、このままインフル特需に乗っかって行きたいところではあります。


ちなみに今年度、うちはインフル特需とそれ以外の要因もありまして
過去最高の売上高&利益高をたたき出すらしいです。
上期決算もバカ売れで過去最高益らしいです。

まぁ来年以降は落っこちるのは火を見るよりも明らかなんで、
せいぜい稼げるときには稼がしてもらおうかなぁと思っています。
医療関連と言っても営利団体ですからね。
ある種、人の不幸に乗っかかる商売でもありますんで。

新型インフルエンザ

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さて、うちの周辺では新型インフルエンザがピークを迎えています。
元々10月にピークが来ると厚労省からの報告がありまして、その通りに推移しています。
エリア傾向としては、だんじりなどのお祭りが終わったあとに
流行してきたと、小児科の先生方が言っておられました。


さて、今回の新型インフルエンザの傾向ですが、
季節性のインフルエンザとあまり大差がない感じです。

ただ高齢者はかかりにくく、比較的若い年齢の人がかかりやすいようです。
患者の7割は5-19歳です。
また症状は普通のインフルエンザと同じですが、希に急速に重傷化することがあり
最悪の場合死に至るケースも報告されているため、油断はできません。
死亡率は季節性と同じか、それよりも若干低い傾向にあります。


現在の流行状況を、国立感染症研究所 感染情報センターのデータでお示しします。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/weeklygraph/01flu.html

全国平均の定点調査は17.65すで、更に流行拡大中です。
都道府県別で定点あたりの発生報告が大きいのは、
北海道57.93、愛知31.78、福岡29.08、神奈川25.19、大阪23.25などの順となってます。

北海道では既に今年の冬季の流行のピークを大きく上回っており、
その他のエリアでも本格的な流行となってきています。


一方の新型インフルエンザのワクチンに関しては、医療機関を優先に
今週から摂取が始まっています。
言われているように、希望者に対する量が不足しているために
ハイリスク群の患者さんや、妊婦・乳幼児・高齢者に対してのみに
なる可能性も高いです。
そもそも医療機関向けも、Dr.や看護師のみにしか回らないかもしれませんので。

まぁ普段通りの対策をして、あまりナーバスにならない方が良いのかもしれませんね。
どのみち対処法は、季節性インフルエンザと同じですから。
心配な方は、個人でできる感染予防を心がけておいてください。